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ルテイン

 ルテインとはカロテノイド(食品に含まれる赤、黄、橙などの色素の総称)の一種で、ゼアキサンチン(黄斑中央部の主要な構成物質であるが、網膜周辺部位ではルテインが主要な構成物質である)と共に黄斑部にとくに多く含まれているが、体内で合成できない栄養素で加齢によって減少する。
 ルテインは抗酸化作用によって目の酸化ストレスを防ぎ、パソコンなどから放射される強い青色光や紫外線から黄斑部を守っている。エイジングによって体内のルテイン量が減少し、加齢に伴う白内障や視力低下・失明を招く加齢黄斑変性などの様々な目の障害を増加させるとの指摘があり、今後の研究が期待されている。ルテインを含む緑黄色野菜や果物を日常的に摂取している人は、網膜を保護する黄斑色素の濃度が高く、加齢黄斑変性や白内障になる確率が低いと言われている。さらにDHAを一緒に摂ると目に対する抗酸化作用が増強すると言われている。

こころとからだの健康(13)目の病気の予防・対策に必要な栄養素と食品

 近年、スマホやコンピュータ、大画面テレビなどの急速な発展による生活環境の変化に伴って眼精疲労・ドライアイを自覚する人が増加すると共に白内障、緑内障、加齢黄斑変性などの失明に至る眼病が注目されるようになった。これら背景にはスマホやコンピュータの発展以外に高齢人口の増加と日常的なストレス、偏った食事、無理なダイエットなどによるビタミンやミネラル類の過不足など、栄養障害が考えられることから目の病気も生活習慣に関わる疾病と言える。
 目はこころとからだの健康維持に重要であり、目の病気は様々な行動の妨げとなるなど、日常生活への負の影響は計り知れない。疲れ目やかすみ目で悩んでいる人、スマホやパソコンなどで目を四六時中酷使している人や自動車やトラックのドライバー、飛行機のパイロットなどは一度自分の食生活を見直すことが大切である。普段の食事を意識して摂取する習慣を身に付けたい。食事で摂取できない時は視力回復のサプリメントや緑黄色野菜、果物などを積極的に摂りいれることも考えたい。
 世界の中でも日本人の視力低下は著しく、最近の調査では約83%の人がメガネかコンタクトを使用し、近視の低年齢化が問題となっている。目に関することわざは多数あるが、その中で「目は心の鏡」「目は人の眼(まなこ)」と言われるように、目はこころとからだの入力部位であり、こころとからだを映し出している。目は生体すべての感覚情報の約80%を占めると言われ、生体に入る情報は目に依存していると言える。
 人間において、視力が形成されるのは生まれてから後天的に徐々に発達し、5~7歳位までに完成すると言われている。したがって、この期間における目のケアーにはとくに十分に注意したい。また、目は12~13歳頃から老化が始まると言われている。生涯において目を大切にするこころを持って、目の健康に気を配り、食環境と同時にストレス解消の方法を自分なりに考え、美しい目を保持したいものである。
 本稿では目の病気の予防・対策に必要な栄養素・食品について調査を行った。論文の内容はⅠ.視覚と目の病気(1.視覚の性質、2.目の病気、3.失明の原因となる疾患)、Ⅱ.眼病の予防に良いとされる栄養素と食品(1.眼精疲労・ドライアイに良い栄養素、2.近視抑制に良い栄養素、3.白内障、加齢黄斑変性などに良い栄養素、4.抗酸化物質の機能、5.ブルーベリーは目が良くなる食べ物の代表)、Ⅲ.眼に良い栄養素(1.抗酸化物質、2.ビタミン類、3.ミネラル類、その他)からなる。
 内容詳細は以下のpdfを参照されたい。(近藤雅雄:平成28年2月8日掲載)
こころとからだの健康(13)眼の病気の予防・対策に必要な栄養素{pdf}

緑茶

 カテキン(渋味成分)、カフェイン(苦味成分)、テアニン(うま味成分)、ビタミン類(C、E、B2、葉酸)、ミネラル類(カリウム、カルシウム、リン、マンガン、フッ素など)、β-カロテン、γ-アミノ酪酸、サポニン、食物繊維、クロロフィルなどが含まれ、これら成分による脳機能の保持、リラックス作用(α波出現)、認知症予防、神経管閉鎖障害の発症予防、覚醒作用(疲労感や眠気の除去)、抗酸化作用、血中コレステロールの低下、体脂肪低下、がん予防、虫歯予防、抗菌作用、血圧上昇抑制作用、動脈硬化予防、血糖上昇抑制作用、口臭予防(脱臭作用)、持久力増加、二日酔い防止、利尿促進作用、皮膚や粘膜の健康維持(コラーゲン形成促進)、皮膚や粘膜の健康維持、夜間の視力維持など、多様な作用が知られている。

レシチン

 卵黄、大豆、酵母、カビ類などに含まれるリン脂質で、生体膜の主要構成成分。体重の約1%がレシチンであり、リン脂質としては最も多く、細胞膜などの生体膜や脳、神経組織の構成成分として重要である。体内で脂肪はタンパク質と結合して血液中を移動するが、このタンパク質と脂肪の結合にレシチンを必要とする。
 臨床的には痔や皮膚病の治療薬、アルコール性肝障害に伴う肝臓の繊維化と肝硬変の予防、肝障害の改善、C型肝炎の改善などが報告されている。
 作用としては、脳内のアセチルコリン(神経化学伝達物質)合成に不可欠な成分であることから記憶力や集中力を高め脳の機能を保持する。認知症の予防、動脈硬化の予防、糖尿病の予防、脂肪肝の改善、肥満の解消・予防などである。不足すると、疲労、免疫力低下、不眠、動脈硬化、糖尿病、悪玉コレステロールの沈着など多くの症状の原因となることが知られている。しかし、経口摂取で下痢、吐き気、腹痛などが報告され、ヒトでの有効性・安全性については信頼できるデータに乏しい。妊娠中・授乳中および通常の食物中の含有量を超える摂取は避けるべきである。

ラクトフェリン

 1939年、ベルギーにて牛乳成分の中に赤いたんぱく質が発見され、乳(ラクト)と鉄(フェリン)からラクトフェリンと命名された。
 ラクトフェリンは哺乳動物の乳に含まれている多機能タンパク質で、母乳中にも含まれ、生れたばかりの赤ちゃんが、母親から受け継いだ抗体により、風邪などの病気にかかりにくくなっている。特に初乳には5∼8g/L含まれ、通常の母乳の2~3倍多く含まれている。初乳を飲むことによって感染などに対する抵抗力を持つ。
 効果としては、微生物の増殖を抑える抗菌作用、大腸菌などの悪玉菌の増殖を抑え、ビフィズス菌などの善玉菌の増殖を促進する。その他、抗炎症作用、免疫強化、抗ウイルス作用、がん予防、がん転移抑制効果などが知られている。(近藤雅雄:平成27年8月7日掲載)

レシチン

 ギリシャ語の卵黄に由来し、ホスファチジルコリンとも呼ばれるリン酸と脂質が結合した物質で、細胞膜などの生体膜や脳・神経組織の構成に欠かせないリン脂質の一つである。乳化作用(界面活性作用)があり、マヨネーズなどの乳化剤として有名であるが、コレステロールが血管壁に沈着するのを防ぎ、血栓を溶かして血液の流れを良くする。また肝臓への脂肪の蓄積を防ぎ、ビタミンAやEなどの脂溶性ビタミンの吸収を高める。したがって、脂肪肝、肝硬変、動脈硬化の予防効果がある。最近では認知症防止や肥満予防に効果があるといわれている。
 レシチンには動物性と植物性があり、コレステロールを乳化するのは植物性だけといわれており、卵黄、大豆、大豆加工品、ビーナッツ、酵母などに多く含まれている。

ルテオリン

 ルテオリンはフラボノイドという抗酸化物質の一種で、さまざまな作用を持つ。ルテオリンの代表的な作用の一つとしてあげられるのが、肝臓の解毒作用の促進である。例えば、発生した癌を、細胞外マトリックスを保護することによって、その成長を抑止する作用も報告されている。また、帝京大学薬学部の山崎博士は炎症性サイトカイン(TNF)生産抑制活性を見出し、さらに、従来フラボノイドはあまり生体内に吸収されないとされていたが、ラットを用いた研究では投与量の約4%が、皮膚からもルテオリンやその配糖体が実際に吸収されることを示した。
 最近、岐阜薬科大学の永井博士はアレルギー発症に必須のマップキナーゼの抑制作用が見出し、新しい抗アレルギー薬の候補ともなっている。
 ルテオリンの作用として最も知られているのが、花粉症やアトピーといったアレルギー症状を押さえることである。ルテオリンなどのポリフェノールは、「ロイコトリエン」という炎症を引き起こす物質を作り出す際に必要な酵素を阻害するため、花粉症の症状、とくに鼻づまり防止に効果を発揮すると言われている。したがって、効能としてはしみ、そばかすの予防、アトピー性皮膚炎の改善、アレルギー疾患改善、花粉症、抗酸化作用、免疫力増加などが知られているが、人での科学的根拠はまだ乏しい。
 ルテオリンを含む食品として、ピーマン、しそ、春菊、カモミール、味噌、イチョウ、明日葉などが知られている。

ルチン

 ルチンはビタミンCの研究中に発見されたビタミン様物質で、ビタミンPの一種である。ジャガイモの花やそばの全草(とくにそばの外側の殻に近い部分に多く含まれる)、中国産の豆のエンジュの葉、つぼみなどに含まれ、そばの特徴的な成分である。ルチンはビタミンCとともに働くため、ビタミンCの豊富な野菜や果物と一緒に摂取するとよい。そして、高血圧や脳血管障害の予防など生活習慣病の改善に効果があるといわれる。