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こころとからだの健康(15) 脳を元気にする食と栄養素

「こころとからだの健康(10)脳に良い食品、期の需性食品とその成分」の改訂版である。
 脳は大脳、間脳、脳幹および小脳から構成され、心身(こころとからだの働き)の司令塔である。とくに、大脳皮質は感覚・運動の統合、意志、創造、思考、言語、理性、感情、記憶を司り、前頭連合野は人間中枢とも言うべき重要な働きを行っている。脳を元気にするためには脳に必要な栄養素の摂取と適度な有酸素運動の実施および良い睡眠をとることが基本である。
 近年、アルツハイマー病やうつ病などの疾病が社会問題となっている。2015年、国際アルツハイマー病協会は認知症の新規患者数は毎年約990万人、2050年には1億3200万人に達し、現在(約4680万人)の3倍になると“世界アルツハイマー報告書2015”に発表した。高齢社会においてその数は急激に増加している。認知症には①アルツハイマー型、②脳血管性、③レビー小体型、④ピック病、⑤混合型、⑥その他などがあるが、この内、70%近くがアルツハイマー病であり、酸化ストレスが病気の進行に大きく寄与している。また、最近、疲労の原因は脳の眼窩前頭野で疲労感として自覚することによると言われ、これも酸化ストレスが関わっている。
 そこで、本論文では情報化・高齢化の時代に認知症やうつ病などの脳の障害を予防し、いつまでもイキイキした脳を維持するために必要な食品および有効成分について文献調査を行った。

Ⅰ.脳が元気になる食品
 人は美味しいものを食べると自然と笑顔となるが、これは脳が元気になったのではない。逆に、濃い味付けや甘いものなどは習慣化し、脳はじめ多くの生体機能にダメージを与えるので注意する。自らの健康は自らが守ることを意識し、脳に良い食品を意識的に摂取することが大切である。

Ⅱ.脳の活性化が期待される主な有効物質
 脳の機能保持には脳の構成材料、脳代謝に不可欠な栄養素および酸化ストレスに対する抗酸化物質の摂取を日常的に意識して摂取することが望ましい。抗酸化物質として、ポリフェノールは植物の色素や苦味の成分であり、アントシアン、タンニンやカテキンなどのタンニン類、ケルセチンやイソフラボンなどのフラボノイド類からなる。フラボノイドは植物に広く存在する色素成分でクロロフィルやカロチノイドと並ぶ植物色素の総称である。広義には赤、紫、青を発するアントシアニンもフラボノイドに分類される。フラボノイドを豊富に含んでいる食品としてはチョコレート、ココア、緑茶、紅茶、赤ワインなどが知られ、注目されている。
 これら抗酸化物質の作用としては活性酸素を除去し老化抑制、抗凝固、血圧降下、消臭、血管保護および血流増加、動脈硬化や心臓病の予防、免疫力増強、抗菌・抗ウイルス・抗アレルギー、血管保護、抗変異原性、発癌物質の活性化抑制など、多様な作用が推測されている。ビタミンC・E、クエン酸を含む食品と併用すると抗酸化作用の相乗効果を示す。
 なお、抗酸化物質についてはいずれも食品として摂取することが望ましく、サプリメントとして摂取する場合は過剰摂取による問題などがあり、十分に配慮することが大切である。(近藤雅雄:平成29年3月25日投稿)
内容の詳細をPDFに記載した。
PDF:こころとからだの健康(15)脳を元気にする食と栄養素2017.3.25

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師国家試験合格のための生理学問題集

 平成27年度の第24回国家試験の合格率はあん摩マッサージ指圧師84.3%、はり師73.4%、きゅう師75%であった。不合格の原因として生理学の修学が不十分であることが挙げられる。生理学をマスターすれば国家試験を制すると言われるように、生理学が理解できれば解剖学、病理学、臨床総論・各論、衛生学・公衆衛生学など、他の国家試験科目の理解も早く、また、診断・治療技術の修得も高まる。

 あん摩マッサ-ジ指圧師、鍼灸師の国家試験問題は公益社団法人東洋療法学校協会が編集した教科書(医歯薬出版)から出題され、さらに出題基準も公開されている。
そこで、生理学の出題基準並びにその動向に基づき平成28年度版の国家試験対策問題集を作成した(非売品)。本書はPart1~Part3から成る。
 Part1は基礎編(基礎力、総合力を養う)として、基礎確認問題集を国家試験出題基準に関わる「学習のポイント」を示し、これにしたがって基礎的な問題を作成、項目ごとにまとめた。
 Part2は実践編(実践力を養う)として、平成4年の第1回から平成27年度の第24回までのすべての生理学試験問題を集約し、これを学修しやすいように独自にまとめた。(非掲載)
 Part3は合格編(応用力、合格力を養う)として、傾向と対策問題を作成した。(非掲載)
 ここではPart1を以下に掲載した(PDF)ので、十分に活用して欲しい。解答は独学にて、自らの力で解答してほしい。Part2,3については非掲載とした。(近藤雅雄:平成28年6月1日掲載)

生理確認(3版part1)160401

持久力をサポートする「アラプラス スポーツ ハイパフォーマンス」とは?

 健康寿命の延伸とQOL(生活の質)の向上には適切な食生活と運動習慣、休養が大切ですが、5-アミノレブリン酸(ALA)はこれら健康生活をサポートすることが分かってきました。
 そこで、最近、SBIアラプロモ株式会社から販売された「アラプラス スポーツ ハイパフォーマンス」の健康効果について最新の科学的根拠に基づき解説します。

1.ALAとは
 ミトコンドリアで生産されるALAは蛋白質を構成するアミノ酸ではなく、生命維持に不可欠な赤い色素ヘムを生産する生命の根幹物質です(図1)。最近、このアミノ酸が貧血予防、運動・代謝機能の亢進、抗酸化、免疫増強、美容などのヘルスケアー領域、脳腫瘍の診断・治療をはじめ多くのがん、疾病発症の予防および治療などのメディカルケアー領域で研究され、急速に注目され始めました(文献11.ポルフィリンーALA学会編:機能性アミノ酸「5‐アミノレブリン酸の科学と医学応用」-がんの診断・治療を中心にー、現代化学・増刊45、東京化学同人、2015.10)。
ALA
2. ALAから生産されるヘム蛋白の多様な機能
 図1に示した様に、各組織にて生産されたALAは最終的にミトコンドリアにて生体色素ヘムとなり、これがアポ蛋白と結合し、①骨髄では酸素を運搬するヘモグロビン、②骨格筋では有酸素運動に関与する赤筋中の酸素貯蔵物質であるミオグロビン、③全身の組織細胞では生命エネルギー物質(ATP)を生産するチトクローム類、④神経では化学伝達物質であり、血管拡張物質である一酸化窒素(NO)を合成する酵素、⑤肝臓では解毒・薬物代謝を司るチトクロームP-450類、⑥内分泌器官ではホルモンの情報連絡に関与する酵素グアニルシクラーゼ、⑦肝臓や腎臓、赤血球に多く含まれ、活性酸素を分解する酵素カタラーゼ、⑧甲状腺では代謝に関わるサイロキシンを生産する酵素サイロペルオキシダーゼ等々、ALAは生命維持に不可欠な各種ヘム蛋白質の生産を行っています(図1)。

3.中高年齢ではALAの生産が低下すると共にヘムの分解が促進し、生体機能の低下が高まる

 ALAは加齢に伴い生産量が減少すると共に様々なストレスによって発生した活性酸素を消去する強力な抗酸化物質ビリルビンを生産するためにヘムを酸化的に分解するので、ヘム量は加齢と共に急激に減少します。その結果、図1に示したヘム蛋白が減少し、特に中高年齢者に様々な体調不良や疾病など(例えば貧血、筋疲労、倦怠感、易感染性(免疫力低下)、基礎代謝の低下、肥満など)が急速に増えてくる原因となります。

4.ALAの生体機能向上、免疫力強化によるアンチエイジング効果
 高齢動物にALAを投与すると、造血、免疫、抗酸化および運動などの諸機能が亢進することを相次いで見出しました(文献2~52.近藤雅雄ほか:運動機能向上剤、整理番号:P04561609、特願2004-255577.2004.9、動物にALAを投与すると運動機能を高めることを発見しました。
3.近藤雅雄ほか:健康機能向上剤、特開2006-96745, 2006.4.13、動物にALAを投与すると造血機能、免疫機能、運動機能、神経機能が高まることを発見しました。
4.近藤雅雄ほか:健康機能向上剤、PCT/JP2005/15560(国際特許)、2005.8、動物にALAを投与すると健康を保持、増進することを発見しました。
5.近藤雅雄ほか:免疫機能向上剤、特開2006-96746, 2006.4.13。動物にALAを投与すると体液性免疫及び細胞性免疫の機能が高まることを発見しました。
)。とくに、免疫中枢である胸腺重量は加齢に従って萎縮することがわかっていますが、ALA投与によって胸腺重量の縮退抑制、増量を見出しました(文献55.近藤雅雄ほか:免疫機能向上剤、特開2006-96746, 2006.4.13。動物にALAを投与すると体液性免疫及び細胞性免疫の機能が高まることを発見しました。)。この増量については細胞生物学的に詳細な検討を要しますが、免疫細胞の増殖促進・抗酸化力増強を確認しました(近藤:未発表)。現在、胸腺の萎縮が免疫の機能低下および老化促進の原因であることが推測されていることから、ALA投与によって免疫力強化、QOL向上および健康寿命延伸が図られることが期待されます。

5.ALAの疲労回復と運動機能向上
 高齢動物にALAを投与すると、運動機能の亢進および筋蛋白質の増量を見出しました(文献22.近藤雅雄ほか:運動機能向上剤、整理番号:P04561609、特願2004-255577.2004.9、動物にALAを投与すると運動機能が高まることを発見しました。)。さらに、人でも運動により鉄、亜鉛などのミネラル類が有意に減少することを見出し(文献6、76.Kondo M et al:Decrease in blood molybdenum (Mo) concentration as a result of competitive sports activities, Biomedical Research on Trace Elements, 14(4):316-318, 2003、激運動により血液中のモリブデンや亜鉛などのミネラルが減少することを見出しました。
7.近藤雅雄ほか:思春期女子のスポーツ活動における血色素合成異常とその発症機序に関する研究、体力研究、No.72: 93-100、1989. 激運動によるヘム生合成の異常を見出しました。
)、これらミネラルを補給すれば疲労回復速度の促進や運動機能、持久力などが向上します。
 これらの結果から、図2に示した様に、ALAプラス鉄などのミネラルの補給は様々なストレスからの回復と同時に造血促進、代謝促進、運動機能促進など生体機能を高めると共に恒常性を維持するため様々な生体機能障害の改善に有用です。
ALA2
 以上、「アラプラス スポーツ ハイパフォーマンス」にはALAの他に亜鉛含有酵母、クエン酸第一鉄ナトリウム、ナイアシンアミドなどがプラスされ、①エネルギー生産量の向上による代謝促進、②体温上昇による免疫力向上、③運動負荷による疲労回復亢進、持久力の向上などの効果があり、健康管理に適したサプリメントとして推薦します。
 健康食品には①表示、②過剰摂取、③摂取方法等の各問題があり、十分に情報を得てから摂取する必要がありますが、ALAは水溶性であり、必要量利用され、余分なALAは尿中に排泄されるので過剰摂取の問題や摂取方法の問題はありません。
 なお、指定難病ポルフィリン症の患者さんはポルフィリン代謝異常を誘発することがありますので服用しないでください。また、妊婦や授乳中の女性、乳幼児、子どもでの有効性・安全性に対する科学的根拠はありません。病気の方の場合は必ず医師にご相談ください。

6.文 献
1.ポルフィリンーALA学会編:機能性アミノ酸「5‐アミノレブリン酸の科学と医学応用」-がんの診断・治療を中心にー、現代化学・増刊45、東京化学同人、2015.10
2.近藤雅雄ほか:運動機能向上剤、整理番号:P04561609、特願2004-255577.2004.9、動物にALAを投与すると運動機能が高まることを発見しました。
3.近藤雅雄ほか:健康機能向上剤、特開2006-96745, 2006.4.13、動物にALAを投与すると造血機能、免疫機能、運動機能、神経機能が高まることを発見しました。
4.近藤雅雄ほか:健康機能向上剤、PCT/JP2005/15560(国際特許)、2005.8、動物にALAを投与すると健康を保持、増進することを発見しました。
5.近藤雅雄ほか:免疫機能向上剤、特開2006-96746, 2006.4.13。動物にALAを投与すると体液性免疫及び細胞性免疫の機能が高まることを発見しました。
6.Kondo M et al:Decrease in blood molybdenum (Mo) concentration as a result of competitive sports activities, Biomedical Research on Trace Elements, 14(4):316-318, 2003、激運動により血液中のモリブデンや亜鉛などのミネラルが減少することを見出しました。
7.近藤雅雄ほか:思春期女子のスポーツ活動における血色素合成異常とその発症機序に関する研究、体力研究、No.72: 93-100、1989. 激運動によりヘム生合成の異常を見出しました。
(近藤雅雄著、平成28年5月18日掲載)

以下のPDFも参照ください。
ALApdf2

こころとからだの健康(14) 遊びから学ぶ幼児教育、子育て習慣および期待される人材

 この数十年の間に子育てに関する社会環境は大きく変化しました。核家族化や男女共同参画社会の進展など、例を挙げればきりがありません。そうした現代社会において最も懸念されるのは、子育てをする親が孤立してしまうことです。そこから多様な悲劇が起こるとも限りません。昔は大家族、そして近所に子どもの遊び場が沢山あり、親子ともども自然に地域コミュニティーが形成されていました。しかし、都市化と共にそうしたコミュニティーは徐々にその姿を消し、結果として子育てについて気楽に相談できる環境も減少しています。子育てには周囲のサポートが不可欠です。家族の協力は勿論のこと、地域社会の協力も必要です。どれだけ時代や社会環境が移り変わっても、「子どもは一人で育てるものではない」ことに変わりはありません。
 そこで、幼児教育の基礎と子育て習慣について考えました。現在、子育て中の保護者の参考になれば嬉しいです。(近藤雅雄:平成28年5月8日掲載)

幼児教育の基本~人間形成の基盤を成すこころの教育とは
 この地球上にて生を受けた人間は地球の恵みに感謝し、自然の恵みを大切にする。そして、自分自身を愛し、家族、友だちを愛し、社会、地球を大切にできる。そんな人間らしさと幸福感に満ちた環境にて子どもを育て、次代に繋いで行く。それが親の責任だと思います。子育て並びにヒトの本質はいつの時代も同じであり、それは「遊ぶこと」です。遊びの環境を設定し、育てるのが保護者の役割です。
 多様な遊びは様々な体験・体感を通して、生きるこころと力、いのちを大切にするこころ、他者を思いやるこころを学びます。これが人間形成の基盤を成すこころの教育であり、人としての基礎となります。
 そのためにも、「教育」を共に育むとした「共育」のこころを持つことです。父親、母親の育った環境とこれからその子どもが育つ環境では20年以上の隔たりがあり、それと共に成育環境は大きく変化しています。したがって、子どもの目線で子どもの育つ時代の環境にて子どもを育むことが大切です。
人の本質
遊びから学ぶ子育て
 人間には「言語的知性」「音楽的知性」「絵画的知性」「論理数学的知性」「身体運動的知性」「感情的知性」「社会的知性」という8つの知性があると言われています。これらの知性は就学前の4~5歳前後をピークとして形成されるもので、「遊び」によって育まれます。人間の知性、こころは脳の活動に直結していますので、就学前こそ、幼児教育に必要な多くの遊びや体験・体感によって、豊かな知性を育むことが重要で、それが成人になって一つまたは複数の知性が大きく育つ要因になります。
 多くの親が子どもの「教育」について悩んでいるようですが、子育てには迷いや不安はつきものです。難しく考える必要はありません。なぜなら、子どもの成長に最も必要なのは、この「遊び」だからです。とくに幼少期の教育は「遊びの場を用意してあげること」くらいに考えて丁度良いのではないかと思います。お父さん、お母さんはまず、子どもと一緒に遊んであげることから始めましょう。楽しそうな親の姿を見ると、子どもはもっと楽しくなります。そうすると図に示しましたが、好奇心・集中力が増し、さらに多くの事を遊びから吸収するようになります。それが創造力や自発性、課題発見力、さらには生きる力へとつながっていくのです。
 もちろん、親も子どもが遊ぶ中から学ぶことは沢山あります。よく言われることですが、やはり教育は「共育」、育児は「育自」なのです。ぜひ「子どもと」遊ぶ中で「子どもを」学んでください。学びに対する親の姿勢は、必ず子どもに受け継がれていきます。“共育の質の向上は人生の質の向上を担保する”ように子どもとその家族はそれぞれの道、人生に一つの目標・志を持ち、前向きに生きるこころを身に付けます。そして、“社会が求める人間力”が育まれます。
人間としての基礎力
社会が求める人材
 “社会が求める人間力”とは図に示しましたように、3つのパワーから成ります。これは社会・国家が求める人材であり、この基礎が幼児期の「遊び」から養われます。人間社会で生きる上で重要なこの3つのパワーとは、①前に踏み出す力(action power);すなわち、主体性を持って前向きに働きかける力、実行力、②考え抜く力(thinking power);すなわち、課題発見力、計画力、創造力、③チームで働く力(teamwork power);すなわち、発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力、起立性、ストレスコントロール力が身に付きます。これらの基礎力を身に付ける上で基本となるのが、以下に挙げた家族の子育て習慣です。

父親・母親の良い子育て習慣
1.家族の間で、朝起きたら「おはようございます」と言い、毎日挨拶を欠かさないようにしましょう。また、一日に最低一度は食事など団欒の時間を作りましょう。
2.家族は毎日きれいな言葉を使うように努力しましょう。子どもに「お前」「てめえ」「がき」などの汚い言葉で呼ばず、一人の人間として人格を尊んで名前で呼んでください。
3.家族はすべて一人ひとり、お互いに人として尊敬し合い、お互いが感謝のこころを持って接するように努力しましょう。
4.家族は一つの組織です。一人で頑張らないで家族で協力・分担して、日常的に楽しく笑顔を絶やさないよう前向きに生きる努力をしましょう。また、子育てを応援してくれる良い友達を複数持ち、コミュニティーを大切にしましょう。
5.子どものこころの痛みを自分のこころの痛みとして感じる「思い遣り」のこころを持ちましょう。また、子どもとのスキンシップによるコミュニケーションを大切にしましょう。
6.お互いを理解し合い、人の言うことをよく聞きましょう。また、何でも相談し合える環境を創るよう努力しましょう。これらが人間関係を形成していく上で大切になります。
7.子どもを泣かすより笑顔を引き出すように努力しましょう。子どもが病気でもないのに泣くのは、悲しいか、怖いかのどちらかです。子どもの気持ちを理解することが大切です。
8.子どもが良いことをしたときや、言うことを聞いたとき、頑張ったときなどは積極的にほめてあげましょう。叱りつけるよりもほめることを優先し、子どものやる気・意欲・能力を引き出すように努力しましょう。「教育」とは「引き出す」という意味でもあります。
9.自然に接する機会をたくさん作り、体験・体感を豊かに育てましょう。ノーベル賞学者など世の中の偉人と呼ばれる人のほとんどが、幼児期には遊びの多い自然の中で育っています。
10.「sense of wonder」という言葉があります。これは「不思議さや神秘さに目を見張る感性」を指し、子どもの教育に大変重要です。子どもは成長過程で様々な体験・体感を通して好奇心、自発性、創造力をからだとこころで育みます。

参考図書
近藤雅雄:子育てハンドブック、Tokyu Child Partners、東急グループ、2015
澤口俊之:幼児教育と脳、文春新書、2004
浜尾実:子どもを伸ばす一言、ダメにする一言、PHP文庫、2001
(近藤雅雄:平成28年5月8日掲載)

ポルフィリンーALA学会より「功績賞」受賞

功績賞4-1
 4月22日、31年間通った港区白金台の旧国立公衆衛生院を久し振りに拝観しました。その後、本院の隣に位置する東京大学・医科学研究所にて開催された第6回ポルフィリンーALA学会年会において、会長の大倉一郎先生から本学会「功績賞」を拝受致しました。「功績賞」の盾には『ポルフィリンーALA研究領域において 長年にわたり多大な功績をあげられました よってここに功績賞を贈呈いたします』と刻まれていました。2003年の「学会賞」に続き2度目の受賞となり、私にとっては大変名誉なことで、学会の役員・会員、1000人近くの共同研究者・研究協力者、そして恩師浦田郡平先生に深謝いたします。また帰途、敷地内で衛生院時代の同僚である磯野威さんと偶然に出会ったことは驚きでした。
功績賞5-1
本学会設立の経緯
 私は旧国立公衆衛生院にて、31年間、厚生行政に関わる研究・教育活動を行いました。その間、今から30年前の1986年にALAの代謝を行うALA-D酵素が亜鉛酵素であることが分かり、臨床医学、公衆衛生学・衛生学・産業衛生学、生化学、植物学、栄養学など多分野から注目され、そこで、職場の仲間と共にALAD研究会を創設しました。4年後の1990年には、研究領域を拡大・全国組織として、ポルフィリン研究会と名称変更・規約を作成し、国立公衆衛生院にて第1回の総会を開催すると同時に査読付論文掲載雑誌「PORPHYRINS」を定期的刊行物(季刊)として出版を始めました。当時は年に2回研究発表会、4年に1回国際学会を行っておりました。
 その後、時代は変わり、2011年にALA研究会を主宰する先生方とポルフィリン研究会を主宰する先生方のご努力によって、両研究会が統合され、「ポルフィリン‐ALA学会」が誕生し発展・充実致しました。
公衆衛生院1
(写真の建物は旧国立公衆衛生院:2002年(平成14)4月に、旧厚生省の付属試験研究機関再編成によって64年の歴史を閉じました。建物は現在もそのままの状態で残っています。この建物は米国ロックフェラー財団の寄付によって建てられ、竣工当時は国会議事堂の次に高い建物で大変眺望が良かったそうです。日本建築学会が編集した日本建築物総覧(1980年)には特筆に値する建築物14000件および特に重要な2000件の中に本院建物は含まれ、同会長名による「近代日本の進歩と地域景観に寄与した」として、永く保存されたき旨の依願状を受けています。本院で31年間、教育・研究活動に身を投じて行ってきた一人として、重要文化財に近いものとして永く保存されることを願っています。本院は日本の公衆衛生学発祥の地です。)(近藤雅雄:平成28年4月25日掲載)

子どもとくすり~くすりの正しい使い方と安全管理

 くすりについての知識は経験上知り得たものが殆どであり、改めて学ぶことはないと思う人が多いのが現状ではないでしょうか。しかしながら、子どもに対しては保護者がくすりの安全性を十分認識した上で投与することが責務となり、くすりに対する知識が必要となります。その理由は、医師または薬剤師から処方される薬にはすべてリスク(副作用、危険性)があり、処方を間違えるといのちにかかわる重大事故につながりかねないからです。
 したがって、誰でも一度はくすりについての基礎的知識を学び、病気の治療・予防、さらに医薬品の管理について学んでおく必要があります。とくに、子どもを持つ保護者、保育園や幼稚園など保育・教育に関わる先生および施設では必ず学習してほしいと願っています。
 そこで、本論文では医薬品に関する基礎知識、くすりの正しい使い方、くすりの副作用と相互作用、妊娠・授乳とくすり、くすりの保管、くすりの記録についてまとめました。以下のpdfを参照して下さい。(掲載年月:平成28年4月23日)
子どもとくすり,pdf

「コンパクト応用栄養学」第2版出版の紹介

 株式会社朝倉書店より、ヒトの生涯に関わる応用栄養学領域のエッセンスをわかりやすくまとめ,「日本人の食事摂取基準(2015年版)」および「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)」に準拠した「コンパクト応用栄養学」第2版が出版されました.B5版,158ページ.

目次
1 栄養ケア・マネジメント
 A 栄養ケア・マネジメントの概念
 B 栄養スクリーニング
 C 栄養アセスメント
 D 栄養ケア計画の実施,モニタリング,評価,フィードバック
2 食事摂取基準の基礎的理解
 A 食事摂取基準の意義
 B 食事摂取基準策定の基礎理論
 C 食事摂取基準活用の基礎理論応用栄養学28
 D エネルギー・栄養素別食事摂取基準
3 成長,発達,加齢(老化)
 A 成長,発達,加齢の概念
 B 成長,発達,加齢に伴う身体的・精神的変化と栄養
 C 加齢(老化)に伴う身体的・精神的変化と栄養
4 妊娠期,授乳期
 A 妊娠期・授乳期の生理的特徴
 B 妊娠期・授乳期の栄養アセスメントと栄養ケア
5 新生児期,乳児期
 A 新生児期・乳児期の生理的特徴
 B 新生児期・乳児期の栄養アセスメントと栄養ケア
6 成長期(幼児期,学童期,思春期)
 A 幼児期・学童期・思春期の生理的特徴
 B 幼児期・学童期・思春期の栄養アセスメントと栄養ケア
7 成人期
 A 成人期・更年期の生理的特徴
 B 成人期・更年期の栄養アセスメントと栄養ケア
8 高齢期
 A 高齢期の生理的特徴
 B 高齢期の栄養アセスメントと栄養ケア
9 運動・スポーツと栄養
 A 運動時の生理的特徴とエネルギー代謝
 B 運動と栄養ケア
10 環境と栄養
 A ストレスと栄養ケア
 B 特殊環境と栄養ケア
付録(用語解説,参考資料:食事摂取基準,食育基本法,食生活指針,食事バランスガイド)

序論
 朝倉書店から出版されている「コンパクト栄養学」シリーズ、『コンパクト公衆栄養学』『コンパクト応用栄養学』『コンパクト基礎栄養学』『コンパクト臨床栄養学』『コンパクト食品学』は他社から発行されている多くの栄養学シリーズとは異なって,病気の予防,健康に関する正しい知識と技術を普及・啓発し,地域,社会集団の栄養改善さらには健康の維持増進を図る学問としての幅広い領域をわかりやすくコンパクトにまとめた教科書です.
 今回、第2版の出版となった応用栄養学はかつては栄養学の一部として扱われてきましたが,その後,特殊栄養学,栄養学各論と名称が変わり,応用栄養学へと進化しました.内容は成長・発達・加齢といった人の生涯における栄養管理として,新生児期から高齢期までの各ライフステージ別に,また妊娠期,授乳期,更年期・運動・スポーツ,環境と栄養について項目ごとにまとめました.
 本書は,2015(平成27)年2月16日に厚生労働省ガイドライン改定検討会より提出された新ガイドラインおよび2014(平成26)年3月28日に公表された「日本人の食事摂取基準(2015年版)」に従い,第一線にて活躍している教育・研究者によって執筆・改訂を行ったものです.管理栄養士等養成校の学生は勿論のこと,保健・医療・福祉などに関わる領域を勉強している学生,一般社会人にもわかりやすく「コンパクト」にまとめています.本書をしっかりと学習し,社会に貢献して行って欲しいと願っています.(近藤雅雄:平成28年4月2日掲載)

日本人の食生活解析

はじめに
 日本の食生活は経済成長と共にこれまでの米を中心とした日本型食生活から欧米など世界中の料理、ファーストフードや健康食品というものを自由に取捨選択し、食べたいときに好きなものが食べられる豊かな自由型へと変った。このような豊食(飽食、崩食)の時代になると共に、アレルギー、がん、生活習慣病、認知症などの増加といった新たな課題が出現してきた。
本稿では、最新の主な食生活事情について分析・考察を行った。

1.食生活の変遷と食のあり方
 現代人は、食あるいは栄養に関する科学的な知識は殆ど持ち合わせることなく、好きなものを好きなときに好きなだけ、あるいは今あるものを寄せて食べる傾向が増えている。食生活はと言えば少子・高齢・核家族化の進展と共に「こ食」(孤食、小食、固食、個食、粉食、濃食、戸食など)が習慣化している。このような生活習慣は成人並びに次代を担う子どもたちの学習・記憶・体力の低下、免疫能の低下、対人技術の発達障害などと言った心身の問題や生活習慣病、摂食障害などを誘発し、さらに、これが体質として次代へも引継がれかねない。これらの現状を鑑み、最も重要な課題が乳幼児期から生涯にわたっての「食」のあり方である。

2.多くの病気が食源病
 日本人の免疫能はこの数十年間で低下してきている。免疫の中心である胸腺は酸化ストレスや加齢によって萎縮し、免疫能が低下する。これが、近年の生活習慣病、がんや自己免疫性疾患、感染症などといった様々な病気の発症要因の一つとして広く指摘されている。その主たる原因が前述した戦後の食生活の劇的な変化が挙げられる。すなわち、私たちの住む地球には時間的リズムがあるように、生体にも同じ時間のリズムがある。一日のリズム(概日リズム)には生命を維持するのに重要な働きとなる睡眠、自律神経、免疫、内分泌、摂食(食生活)などの各リズムがある。これらリズムの中心となっているのが「食」である。近年、この「食」を中心とした生活習慣の変化が生体のリズムを変え、肥満、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、がんなどの生活習慣病が起こることが分かってきた。その原因の主なものとして、食塩と脂肪の摂取過剰と食物繊維、ミネラル類の摂取不足が挙げられる。したがって、これらの疾病は食が原因で発症する「食源病」といっても過言ではない。

3.日本人の食生活の実態と次代を担う子どもの食育
 厚生労働省が毎年行っている国民健康・栄養調査の結果を基に食生活の実態を解析した結果、免疫能に重要な影響を及ぼすタンパク質の摂取量は男・女共に生涯にわたって大きな変化が認められなかったが、タンパク質をどの様な食品群から摂取しているかを年齢別にみると、40歳代以降から肉類と魚類の摂取量が逆転することを見出した。すなわち、若年者は肉類、中・高齢者は魚類の摂取が高いことでタンパク質摂取が生涯にわたって保持できていることがわかった。一方、米国人の食生活パターンは生涯のタンパク質源を肉類に依存し、これが加齢と共に摂取量が減少することで1日に必要なタンパク質摂取量が減少する。この減少は免疫力の低下を惹き起こす。これが日米の寿命の差となっているのかもしれない。
 一方で、我われは日本人の中・高齢者の血中微量元素濃度を測定した結果、免疫能および抗酸化能に影響を及ぼす銅、亜鉛、セレン、マンガンなどが加齢に伴って減少する傾向を見出した。さらに、これら元素の変動が不定愁訴や循環障害などの各種自覚症状と関係していることを見出した。これらの結果をもとに、中・高齢者が抗酸化・免疫能を強化する微量元素やビタミン、フラボノイドなどを多く含む豆類、野菜、果物、魚介類などを積極的に摂取することによって、これらの自覚症状がなくなり、ますます健康寿命の延伸を図ることの可能性を見出している。
 これらの結果に対して、現代の子どもが将来高齢者となった場合に、現在の高齢者と同じような食事摂取パターンとなるかについては疑問である。すなわち、味覚や嗜好は乳幼児期に形成されるためである。したがって、安心・安全な食物を選別できる能力、食物の大切さを知る能力などを小児期に育てることは重要である。

4.免疫能を高める栄養素・食品の解析
 各種酸化ストレスからの防御を目的として、我われは食品中に含まれるミネラルやビタミン、フラボノイドなどの抗酸化成分を胸腺(免疫)細胞に投与し、活性酸素の消去能について検討したところ、各抗酸化物質によって細胞内外での抗酸化能力が異なっていることを見出した。このことは、抗酸化成分の効果的な摂取法として、細胞内外にて抗酸化作用を発揮する成分を摂取することの方が、細胞を酸化ストレスから防御するにはより効果的であることを示す。事実、細胞内外にて抗酸化能を発揮するフラボノイド(ルテオリンなど)を多く含む野菜(ピーマンなど)を高齢者に食べていただくという介入試験を国立健康・栄養研究所の研究倫理規定にしたがって行った結果、摂取前(介入前)と比較して摂取後(介入後)は抗酸化能および免疫能は統計学的に有意に上昇することを見出している。

5.日本型食生活の変遷と栄養行政
 日本人の食生活は主食、主菜、副菜、汁物で構成されているが、主食としては米を中心とした食生活が連綿と引き継がれてきた。そこから誕生したのがみそ汁、漬物、塩蔵品といった米と合う塩分と砂糖の多い食生活である。しかし、今日のITおよび乗り物社会といった運動量の少ない社会構造が確立してから肥満を始め、がん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病など欧米に多い病気が我が国でも増加するようになってきた。これに対して、厚生労働省は「健康日本21」、「健康増進法」など様々な政策を打ち上げ、健康に対する対策を行ってきたが、現在までに成功したと言えるのは禁煙と減塩政策である。これら健康増進行政の基本は「栄養」「運動」「休養」の三位一体の遂行であることはいつの時代も変わらない。

6.最新食生活事情~糖質摂取制限に関する話題
 最近、糖質摂取(白米やパン、麺類など)を制限すると肥満、糖尿病(1型、Ⅱ型)などの生活習慣病だけでなく、妊娠糖尿病、がん、アルツハイマー病や認知症、虫歯、歯原性菌血症などが改善・予防されるといった書物が現在の食生活に対する混乱を惹き起こしている。いわゆる糖質ダイエットと称されるものである。これに対する異論・反論も多く、安易に信用することは控えたい。これら多くの話題には科学的根拠に欠けているのもあり、それらの課題は医学・栄養学・食品学等の学会、厚生労働省・農林水産省などの行政側で話題・議論すべき内容であり、これを国民に直接一般書物などマスメディアを通して訴えることは国民の不安を煽るだけでなく、食行政を混乱させるだけであり、売名行為とも受け取らわれかねない。これら内容については専門家の間でしっかりと議論し、科学的に確立したものを一般国民に公表すべきである。また、今日様々なダイエット法がメディアを通して宣伝されているが、もしもダイエットなど自分の食生活を変えたい場合には、必ず信頼できる人と相談することが大切である。このように、日本の食事事情が混乱している現代社会においては糖質、タンパク質、脂肪の摂取比率などを含めて、早急に総合栄養学的な観点から生涯にわたっての日本型食生活と健康について医学、農学、栄養学、経済学、工学などの広領域分野にて科学的に再検討する必要があると思われる。

7.望ましい食生活の在り方
 「食」は国家の基盤、文化や教育の根幹であることから、国は国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育む事ができるよう、家庭、学校、地域社会における食育推進行政を徹底してほしいものである。「食育」は「職育」であり、各々のlife stageにおいて知力、体力、抵抗力、作業能率、正しい判断力、感性を育むために不可欠な教えである。人間の一人ひとりのゲノム(遺伝子)の差は0.1%であり、これが免疫など様々な個体(人)差となっている。したがって、年齢、性、運動量、作業量、各ストレス量、体質などが各個人によって異なるように、食事の質と量も当然異なってくる。望ましい食生活とは、個人個人が正しい知識を持って、賢く食事を楽しむことである。それによって、酸化ストレスも減少し、免疫能が強化され、健康寿命の延伸が図られる。我われは、「今こそ」栄養学・食品学の知識を身に付け、一つの栄養素・食品におけるミクロ的な視点ではなく、総合栄養といったマクロ的な視点から自分自身の食生活について真剣に考える必要がある。厚生労働省などの公的機関は国民に対する正しい栄養教育の一層の普及が望まれる。

おわりに
 戦後70年間で日本社会のあり様が著しく変貌し、今後もさらに変化していくものと思われる。いつの時代も生命・健康維持において最も重要なものが「食のあり方」である。正しい「食生活」を維持・継続することによって生体のリズムが構築され、知識や技術の向上が図られる。さらに、健全なからだや精神(感謝)という個人レベルの健康だけでなく、健全な社会が構築され、延いては国家が元気となる。また、「食」に対する知識を得ることによってからだと心を大切にし、生きる術として大切な善悪の判断、感謝し奉仕するといった素直な心を持つ。さらに、前向きに生活の工夫を行う知恵などを持ち、将来を夢見るこころを持つようになる。内容の貧しい食事であっても団欒のある楽しい食生活や四季の旬のおいしい物を食べた時の自然と笑みがこぼれる幸福感・こころのゆとりが得られ、そこからさまざまな知恵が伝承されることを忘れてはならない。(近藤雅雄:平成28年3月2日掲載

ゼアキサンチン

ゼアキサンチンはルテインと構造が類似したカロテノイドで、光によるダメージから網膜を守ることが報告されている。目の網膜、とくに黄斑とレンズ部分に集中しているが、エイジングにしたがって濃度は低下し、加齢黄斑変性の危険性が高まる。また、喫煙者でも黄斑色素濃度の低下が見られると言う。米国では、加齢黄斑変性患者が1千万人以上存在し、この内、45万人以上が既に視力を失っていると言われている。ハーバード大学が行った研究ではルテインとゼアキサンチン摂取の多いグループは低いグループに比し、加齢黄斑変性の危険性がかなり低いという。

ルテイン

 ルテインとはカロテノイド(食品に含まれる赤、黄、橙などの色素の総称)の一種で、ゼアキサンチン(黄斑中央部の主要な構成物質であるが、網膜周辺部位ではルテインが主要な構成物質である)と共に黄斑部にとくに多く含まれているが、体内で合成できない栄養素で加齢によって減少する。
 ルテインは抗酸化作用によって目の酸化ストレスを防ぎ、パソコンなどから放射される強い青色光や紫外線から黄斑部を守っている。エイジングによって体内のルテイン量が減少し、加齢に伴う白内障や視力低下・失明を招く加齢黄斑変性などの様々な目の障害を増加させるとの指摘があり、今後の研究が期待されている。ルテインを含む緑黄色野菜や果物を日常的に摂取している人は、網膜を保護する黄斑色素の濃度が高く、加齢黄斑変性や白内障になる確率が低いと言われている。さらにDHAを一緒に摂ると目に対する抗酸化作用が増強すると言われている。

こころとからだの健康(13)目の病気の予防・対策に必要な栄養素と食品

 近年、スマホやコンピュータ、大画面テレビなどの急速な発展による生活環境の変化に伴って眼精疲労・ドライアイを自覚する人が増加すると共に白内障、緑内障、加齢黄斑変性などの失明に至る眼病が注目されるようになった。これら背景にはスマホやコンピュータの発展以外に高齢人口の増加と日常的なストレス、偏った食事、無理なダイエットなどによるビタミンやミネラル類の過不足など、栄養障害が考えられることから目の病気も生活習慣に関わる疾病と言える。
 目はこころとからだの健康維持に重要であり、目の病気は様々な行動の妨げとなるなど、日常生活への負の影響は計り知れない。疲れ目やかすみ目で悩んでいる人、スマホやパソコンなどで目を四六時中酷使している人や自動車やトラックのドライバー、飛行機のパイロットなどは一度自分の食生活を見直すことが大切である。普段の食事を意識して摂取する習慣を身に付けたい。食事で摂取できない時は視力回復のサプリメントや緑黄色野菜、果物などを積極的に摂りいれることも考えたい。
 世界の中でも日本人の視力低下は著しく、最近の調査では約83%の人がメガネかコンタクトを使用し、近視の低年齢化が問題となっている。目に関することわざは多数あるが、その中で「目は心の鏡」「目は人の眼(まなこ)」と言われるように、目はこころとからだの入力部位であり、こころとからだを映し出している。目は生体すべての感覚情報の約80%を占めると言われ、生体に入る情報は目に依存していると言える。
 人間において、視力が形成されるのは生まれてから後天的に徐々に発達し、5~7歳位までに完成すると言われている。したがって、この期間における目のケアーにはとくに十分に注意したい。また、目は12~13歳頃から老化が始まると言われている。生涯において目を大切にするこころを持って、目の健康に気を配り、食環境と同時にストレス解消の方法を自分なりに考え、美しい目を保持したいものである。
 本稿では目の病気の予防・対策に必要な栄養素・食品について調査を行った。論文の内容はⅠ.視覚と目の病気(1.視覚の性質、2.目の病気、3.失明の原因となる疾患)、Ⅱ.眼病の予防に良いとされる栄養素と食品(1.眼精疲労・ドライアイに良い栄養素、2.近視抑制に良い栄養素、3.白内障、加齢黄斑変性などに良い栄養素、4.抗酸化物質の機能、5.ブルーベリーは目が良くなる食べ物の代表)、Ⅲ.眼に良い栄養素(1.抗酸化物質、2.ビタミン類、3.ミネラル類、その他)からなる。
 内容詳細は以下のpdfを参照されたい。(近藤雅雄:平成28年2月8日掲載)
こころとからだの健康(13)眼の病気の予防・対策に必要な栄養素{pdf}

受験生がんばれ ‼ ~後悔しないための受験戦略と心得

 毎年、1月から3月は学校の定期試験、入学試験、様々な資格にかかわる試験、昇格試験など人生を左右する大きなイベントが集中し、受験の季節となります。この時期は、冬から春にかけて気象の変動が著しく、インフルエンザなどの風邪や自己免疫性疾患や持病などの症状が出現しやすい季節でもあります。これらを乗り越えて、漸く春がやって来ます。
 ここでは、受験に失敗しないための戦略とその心得の一例を紹介します。
1.試験前
1)計画を立てる。PDCAサイクル(plan-do-check-act cycle)に従う。
 試験の日程が決まったら、それに合わせて自分に合った試験準備を計画、これを実行し、勉強の方法・準備が適切であるかを評価する。その際、ムリ、ムダ、ムラの「3ム」がないよう、何度も繰り返し、最適な方法を考える。自分に合った勉強法が確立したら、それを実行する。
2)過去問題を徹底的に調べる。
 試験に出題される内容の重要ポイント(キーワード)はいつの時代も同じです。したがって、過去に出題された問題を繰り返し実施し、これを理解すれば試験準備は十分です。
3)体調を万全にする。
 季節的にも風邪や持病などが発生しやすい時期なので、こころとからだの健康管理を怠らないよう、強い意志と自信をもって日常の生活と体のリズムを守り、自己管理を行って下さい。

2.試験前日
 試験前日には試験勉強を行わないで、翌日に備え受験票や筆記用具などの準備を完璧に行い、カバンにしまって、早めに寝る。その際、絶対合格するという自信を持つことが大切です。

3.試験期間中
1)試験会場に30分前には必ず到着する。
 前もって試験会場を下見し、余裕をもって試験会場に到着できるよう交通機関などを調べておく。また、交通機関のアクシデントに備え、迂回路も調べておき、少なくとも30分前には会場に到着し、トイレなども済ませておきたい。
2)試験を受けるためのPDCAサイクルを考える。
 試験用紙が配布されたら問題全体を速読し、簡単な問題から解答し、難解な問題は後回しにする。問題順に一つひとつ解答していくと、難解な問題に遭遇した時に、それに関わる時間があっという間に過ぎてしまい、時間が足りなくなり、これが致命傷となることがあります。まずは、問題全体を早めに把握しておくことが大切です。
3)試験が終了した後の心構え。
 試験が終了してからも、ケアレスミスがないかを確認することが大切です。必ず、何度も問題と解答を見直す。また、迷った時は、最初に解答した答えが正解のことが多い。

4.試験終了後
 試験がすべて終了したら、自宅などで問題を必ず見直し、間違っていないかを確認する。間違いが確認されたら直ちに修正する。この確認作業はその後の人生においても、同じ間違いは絶対に繰り返さないという「考え抜く力」「課題発見力」などが養われるますので、必ず行って下さい。(近藤雅雄:平成28年2月5日掲載)

高齢期の健康に影響を与える成人期の栄養学

成人期は就職、社会貢献、結婚、子育て、子どもの自立、親の介護など、生涯において様々な環境因子・ストレスによる影響が最も大きい激動期である。この時期は、生活が多忙になり不摂生や無理をし易く、食べすぎや飲みすぎ、不規則な食事時間、欠食、栄養素のアンバランス、運動不足、肥満などと併せて、生活習慣病が発症するなど、身体的にも社会的にも大変重要な時期であり、高齢期への健康に大きく影響を与える。したがって、健康寿命の延伸とQOLの向上を図るための方策を早めに考え、成人期の特徴、生活習慣を変える効果的な方法などについて栄養学的に理解することが大切である。
ここでは、下記の目次にしたがって執筆内容をpdfに掲載した。

1.成人期の生理的特徴
 1)生理的変化と生活習慣の変化

2.成人期の栄養アセスメントと栄養ケア
 1)成人期の栄養の特徴
 2)成人の食事摂取基準
 3)生活習慣病の予防
 4)肥満とメタボリックシンドローム
 5)主な生活習慣病の一次予防

 (近藤雅雄:平成28年1月15日執筆掲載)

高齢期の健康に影響を与える成人期の栄養[pdf]

油脂の健康効果~話題の「こめ油」「クリル」「亜麻仁油」の比較

1.こめ油
原料:米糠
成分:米糠に特有の成分γ‐オリザノール(オリザノールA、オリザノールC)とオレイン酸、ビタミンE(α‐トコフェロール、α‐トコトリエノール)、ビタミンK、鉄などを含む。γオリザノールとはフェルラ酸とステロールとが縮合したエステル類の総称。
効果:以下のように多様な効果が知られている。①自律神経調節作用:自律神経失調症の緩和に有効、自律神経のバランスを整え、肩こり、眼精疲労、腰痛、更年期に起こりやすい不定愁訴などの症状を改善する。②皮膚の健康維持作用:皮膚の血行をよくするとともに、皮脂腺の機能を高め乾燥性の皮膚疾患を改善する。老化した角質を取り除き、皮膚の表面を膜で保護する。また、シミの原因となるメラニン色素の増殖を抑え、紫外線吸収作用があり、皮膚の酸化および老化を防ぐ。皮膚の血管を拡張し、血液循環を促進する。③血中脂質改善効果:脂質代謝に関与し、コレステロールを低下させる。また、コレステロールの吸収・合成を抑制する効果が知られ、高コレステロール血症や動脈硬化症など脂質異常症の予防・治療薬に多く利用されている。④生殖機能改善作用:無月経、卵巣機能障害、性腺刺激作用などの効果。⑤抗酸化作用:ポリフェノール成分で、ビタミンEとともに抗酸化作用が知られ、脂質過酸化防止、リノール酸の体内作用の強化、ホルモンバランスの改善、脳や皮膚の老化防止などが知られている。⑥その他、抗ストレス作用、成長促進やがん治療効果、心身症改善効果などが知られ、医薬品および化粧品としても利用されている。医薬品としての副作用は発疹・かゆみなどのアレルギー症状、眠気•嘔吐、吐き気•下痢、脱力感、倦怠感、また、0.1%未満であるが、めまいやふらつき、頭痛、便秘、食欲不振、腹痛、口内炎、動悸、むくみ、などの症状が報告されている。

2.クリル
原料:オキアミ類
成分:EPAとDHA
効果:オキアミから抽出されるクリルにはDHA、EPAを豊富に含む。DHAは脳内に存在する主要な多価不飽和脂肪酸であり、脳の発達と機能のために重要である。脳のシナプスに豊富に含まれ、ニューロンでのシグナル伝達に関与していることが示唆されている。記憶の要である大脳辺縁系の海馬にも多く含まれる。脳の代謝・血流改善作用として、①血管壁や赤血球の細胞膜を柔らかくする。②神経伝達物質の産生量を増やすことが知られている。また、ストレス耐性を強化する働きもあるという。注意欠陥多動性障害 (ADHD)の子どもに症状のわずかな改善が認められたという報告がある。 さらに抗酸化成分のアスタキサンチンが含まれ脂質過酸化防止に有用である。

アスタキサンチン
ビタミンEの約1000倍の抗酸化力とされ、自然界で最強の抗酸化物質との指摘がある。主な効能は脂質の酸化防止、LDLコレステロールの低下、動脈硬化の予防・改善、糖尿病性白内障の進行抑制、ストレスなどによる皮膚の免疫能低下の抑制、紫外線による皮膚の酸化防止、炎症抑制、ビタミンAの生産、概日リズムの調節などが言われている。最近、脳血管性認知症やアルツハイマー病、糖尿病の合併症、白内障、加齢性黄斑変性症などの予防効果が期待できると注目されている。

3.亜麻仁油
原料:亜麻仁種子
成分:αリノレン酸
効果:オメガ3系脂肪酸の一種であるαリノレン酸は、体内でエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)に変換される。亜麻仁油にはα-リノレン酸がゴマの約100倍含まれ、脂質異常症患者の血中中性脂肪と超低比重リポタンパク質(VLDL)値を全般に低下させると言われている。 効果としては学習能力や記憶力の向上、認知症予防、アレルギー症状の緩和、血流改善、エストロゲン作用、便秘解消、高血圧、動脈硬化、心血管疾患、骨粗鬆症、糖尿病、がんなどの生活習慣病予防など多様な効果があると言われている。ドイツでは慢性の便秘、緩下剤誘発性結腸障害、過敏性腸症候群、腸炎、憩室炎での使用を承認している。
(参考文献:Wikipediaなど)(著者:近藤雅雄、平成26年11月23日)

ALAを合成する酵素の新しい測定とその酵素のミトコンドリア内での様態

 ALAを生産する酵素、5-Aminolevulinate synthase (ALAS)活性の測定はsuccinyl-CoAとglycineを基質として測定されるのが世界的に広く知られています。このALASはヘム合成(ポルフィリン代謝)の律速酵素として最も重要な酵素です。肝性ポルフィリン症などのヘム合成系の酵素障害があるとALAS活性が増量してALAの生産を高めることが指摘され、ポルフィリン代謝異常で最も中心的役割を果たす酵素です。しかしながら、実際に肝臓のポルフィリン代謝障害を起こす晩発性皮膚ポルフィリン症の肝ALAS活性は増加しないことが広く知られ、この矛盾を説明することがこれまでにできませんでした。
 そこで、肝性ポルフィリン症患者の生検肝微量組織からα-ketoglutarateとglycineを基質としてALAS活性を測定した結果、succinyl-CoAとglycineを基質とした値よりもポルフィリン代謝をより反映していることが今回の実験によってわかりました。すなわち、肝ALAS活性の測定にはこれまでの方法と異なって、α-ketoglutarateとglycineを基質として測定した値の方がより肝性ポルフィリン症の病態を反映していることが示唆されると同時に肝ALAS酵素の作用機序がほぼ分かりかけてきました。
その内容は2015年9月の学術雑誌ALA-Porphyrin Scienceに掲載されました。以下のpdfで参照ください。(近藤雅雄:平成27年11月10日掲載)
肝ALAS porphyrin science,2015

成長・発達、加齢の栄養・生理学

 ヒトの生涯の各時期における生理学的特徴、頻度の高い疾患を把握し、栄養学的な諸問題を理解する。小児期では著しい成長・発達は生涯栄養学の基礎的問題として重要である。成人期は生活習慣が変動する時期であり、生活習慣病発症の予防として栄養・食生活管理が重要である。高齢期については、老化のメカニズムを理解し、高齢期の生理的・心理的変化からさまざまな体調の変動が起こる時期であり、それぞれの体調に合った最適な栄養ケアができるようにする。 
 本稿では、ヒトの生涯における栄養と生理について下記の項目にしたがって概説したので、pdfを参照されたい。
Ⅰ.成長、発達、加齢の概念
 1.成長
 2.発達
 3.加齢
Ⅱ.成長・発達に伴う身体的・精神的変化と栄養
 1.身長、体重、体組成
 2.消化・吸収
 3.代謝
 4.運動、知能、言語発達、精神発達、社会性
 5.食生活、栄養状態
Ⅲ.加齢に伴う身体的・精神的変化と栄養
 1.臓器の構造と機能の変化
 2.分子レベルの老化(テロメア、活性酸素による障害)
 3.高齢者における疾患(病態、症候、治療)
 4.高齢者の生理的特徴(予備力、適応能力)
 5.高齢者の心理的特徴
 6.高齢者における食事摂取の特徴
 7.栄養状態の変化
(近藤雅雄:平成27年11月6日執筆掲載)

成長、発達、加齢の栄養・生理学27.11

こころとからだの健康(12)生体防御機構と免疫システム 

 こころとからだの健康管理には日常的に免疫力を強化することが重要であり、それによって、QOLの向上並びに健康寿命の延伸を図ることが可能となる。
 免疫とは疫病から免れると書くが、正しくは、自己と非自己(異物)を識別し、非自己を排除することによって生体の恒常性を維持しようとする防御システムであり、自然免疫と獲得免疫から成る。一般的には、主に後者の感染症予防的な意味合いが用いられ、病原微生物などの異物が体内に侵入した時の生体防御システムとよく言われる。しかし、現代社会においては、免疫機能を低下させる要因として、各種生体内因子および生体外因子が関与し、これら要因によって体内で発生する活性酸素によるストレス(酸化ストレス)が免疫の機能、すなわち、生体の機能を低下させることが明らかとなった。免疫機能の低下は感染症、生活習慣病、がんなどのさまざまな疾患の発症と強く関係していることから、免疫強化によってこれら疾患の予防が図られる。
 ここでは、免疫の中心となる血液中の白血球細胞群を中心とした生体の防御反応(感染防御)について紹介する。以下のpdf参照。(近藤雅雄:平成27年10月21日掲載)
こころとからだの健康(12)生体防御と免疫システム

こころとからだの健康(11)ホメオスタシスと生体リズム 

 生活習慣が乱れると生体のリズムが乱れ、こころとからだに何らかの異常が生じる。逆に、こころとからだに異常が起こると生活習慣も乱れてくる。このことから、生活習慣および生体のリズムは心身の健康にとって大変重要であることが理解できる。
 さて、現代人の祖先は約500万年前にチンパンジーとの共通の祖先から分かれ、その後、独自の進化が行われてきた。この長い期間で、人類は様々な環境に適応・順化しつつからだの構成とその機能が獲得されてきた。
 生体が外部環境の変化に対応して生存を図ることを生体の適応といい、環境因子の長期にわたる変化に対して起こる生体の変化を順化という。これらのしくみは視床下部を中心とした体温、血圧、呼吸、摂食、血糖、免疫など多数の調節機能に関与するプログラムによって生体内のすべての器官が協調的生理過程を維持しながら、より安定状態を保つように進化してきた。その結果、現代の環境に適応しつつ生体の内部環境の恒常性(ホメオスタシス; homeostasis、同一の(homeo)状態(stasis)を意味するギリシア語からの造語)を維持してきた。
 ここでは、ホメオスタシスと生体リズムについての概念の確立と、その経緯を延べる。以下のpdf参照。
(近藤雅雄:平成27年10月21日掲載)
こころとからだの健康(11)ホオスタシスと生体リズム

新刊「5‐アミノレブリン酸の科学と医学応用」紹介

機能性アミノ酸「5‐アミノレブリン酸の科学と医学応用」-がんの診断・治療を中心にー
現代化学・増刊45、ポルフィリンーALA学会編、東京化学同人、2015.10.8発行、ISBN978-4-8079-1345-9 が発刊されました。
 本書は5‐アミノレブリン酸(ALA)の多様な研究に関して、最先端科学研究者48名によってまとめられた成書です。研究領域は医学、工学、理学、栄養学、農学、微生物学、環境学と幅広く、その内容はすべて人間を中心とした、がんの診断と治療および人類のQOLの向上と健康寿命の延伸並びに環境・農業・畜産業への貢献を目的としてまとめられたALA研究の最新成果が収められています。科学に興味を持つ一般学生はじめ多領域の研究者、臨床医など医療関係者にはぜひお薦めの成書です。
以下に本書の目次を示しました。
5-アミノレブリン酸の科学と医学応用表紙

第1部 生命科学と健康
1.5‐アミノレブリン酸・ポルフィリンの生命科学2.5‐アミノレブリン酸の合成および誘導体
3.5‐アミノレブリン酸・ポルフィリンの分析化学
4.ポルフィリン代謝異常症

第2部 がんの診断と治療
5.5‐アミノレブリン酸を利用したがんの診断・治療
6.脳腫瘍の診断と治療
7.皮膚がんの診断と治療
8.膀胱がんの診断と治療
9.前立腺がんの診断と治療
10.子宮頸ガンの治療
11.外科的手法による大腸がんの診断
12.内視鏡手法による大腸がんの診断
13.胃がんの診断
14.腹腔内悪性病変の診断
15.肝臓がんの診断と術中胆汁漏検索法
16.食道がんの診断
17.副甲状腺の同定診断
18.光線力学診断用機器の開発
19.脳腫瘍に対する光線力学診断用機器の開発
20.胸腔内悪性病変に対する光線力学診断用機器の開発
21.放射線療法の増感
22.超音波力学療法、温熱療法

第3章 代謝影響とヘルス・メディカルケア
23.5‐アミノレブリン酸およびヘムの代謝影響
24.ミトコンドリア病の治療と予防
25.脂質異常症の治療と予防:エネルギーおよび脂質代謝を中心として
26.赤血球造血細胞への影響
27.鉄芽球性貧血症の治療と予防
28.皮膚に対する影響
29.抗マラリヤ薬としての5-アミノレブリン酸
30.虚血再灌流系での効果
31.パーキンソン病への臨床効果

第4章 環境・農業・畜産業などへの応用
32.植物・農業分野での利用
33.畜産・水産分野での利用

 

こころとからだの健康(10)脳に良い食品、機能性食品とその成分

 脳は大脳(皮質、辺縁系、基底核)、間脳(視床、視床下部)、脳幹(中脳、橋、延髄)および小脳から構成され、心身(こころとからだの働き)の司令塔である。特に大脳皮質は感覚・運動の統合、意志、創造、思考、言語、理性、感情、記憶を司る人間としての最も重要な器官であり、その中でも前頭連合野は人間としての中枢とも言うべき、様々な重要な働きをし、哺乳動物の中では一番重たい。脳は骨格筋、肝臓に次いで基礎代謝量が高く、多くの栄養素を必要としているため、栄養の摂取バランスの異常や不足は脳の機能にダメージを与え、こころとからだに様々な影響を与える。その代表的なものとして、近年、アルツハイマー病やうつ病などの疾病が大きな問題となっている。2012年の世界保健機関の報告によると、認知症患者は毎年770万件増加し、その数は世界中で3,560万人と推定されている。これが2030年までに倍増、2050年までに3倍以上(1億人以上)になると予測されている。認知症には①アルツハイマー型、②脳血管性認知症、③レビー小体型認知症、④ピック病(前頭側頭型認知症)、⑤混合型認知症、⑥その他などがあるが、この内、70%近くがアルツハイマー病という。
 そこで、認知症やうつ病などの脳の障害を予防し、脳(こころとからだの司令塔)の働きをよくする食品および有効成分について文献調査を行い、こころとからだの健康に役立つ資料とした。
掲載した食品および機能性物質は以下の24食品、24物質であり、その詳細はpdfに掲載した。

1.脳(アンチエンジング)の活性化が期待される食品
 亜麻の種(亜麻仁油)、イチョウ葉、オリーブオイル、カワカワ、くるみ、ココア、コーヒー、魚、ザクロ、センテラ(ゴツコーラ、ブラーミ、ツボクサ)、SOD様作用食品、セイヨウオトギリソウ、セイヨウカノコソウ、ダークチョコレート、納豆、ニンニク、ビルベリー、ブルーベリー、ほうれん草、豆類、松葉、ムール貝、ヨヒンベ(ヨヒンビン)、緑茶の24食品。

2.脳に良いとされる機能性物質
 アスタキサンチン、アントシアニン、イソフラボン、カテキン、γ‐アミノ酪酸(GABA、ギャバ)、ギンコライド、グルタチオン、コエンザイムQ10、サポニン、ジメチルアミノエタノール、食物繊維(不溶性食物繊維、水溶性食物繊維)、タウリン、テアフラビン、テアニン、DHA、トリプトファン、ビフィズス菌、分岐鎖アミノ酸(BCAA)、フェルラ酸、ホスファチジルセリン、ポリフェノール、フラボノイド、メラトニン、レシチンの24物質。
 原稿は以下のpdfを参照されたい。(近藤雅雄:平成27年10月6日掲載)
こころとからだの健康(10)脳に良い食品、機能性食品

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