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中・高齢者の特発性ポルフィリン代謝異常症について~栄養学的アプローチ

中・高齢者に稀に発症する特発性 (散発性晩発性皮膚) ポルフィリン代謝異常症 (s-PCT) 患者の血液中の微量元素濃度が健常者と異なる事を見出しました。すなわち、患者10名(平均年齢51.4歳 (38~66歳)の血液中の各種元素(Al, As, Ba, Ca, Cd, Cr, Cu, Fe, Ga, K, Li, Mg, Mn, Mo, Ni, Pb, Rb, Se, Sn, Sr, Ti, V, Znの23元素)の濃度を誘導結合プラズマ発光分光分析計(ICP-AES)または誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)を用いて測定しました。その結果、健常者に比してs-PCT患者の末梢血液中のMg, Ni, Se(<0.05)およびRb(<0.01)濃度は有意に低値でした。これに反してMoは有意に高値を示しました(<0.01)。さらに、As, Ca, Fe, K, Znは低下傾向を示し、Cdが高値の傾向を示しました。また、各元素間においても、各々健常者群では見られない有意な相関関係が認められました。しかし、これら各種元素濃度と尿中ポルフィリン量との間には有意な相互関係は見られませんでした。これらの元素変動を調べたのは世界でも初めてのことであり、今後の研究に有用と思われます。
以上の結果は、これまでにs-PCTの発症には鉄が強く関与することが推測されていることから、これらの元素変動はPCT発症の一因となり得る可能性が示唆されました。(掲載論文:近藤雅雄ほか、薬理と治療、vol.33:S37-S44, 2005)。続きは下記のpdfを参照してください。

中高齢者の特発性ポルフィリン代謝異常症について